自民党県連の役員会(草津市内のホテル)
自民党滋賀県連は12日、草津市内で役員会を開き、7月に任期満了を迎える三日月大造知事の県政運営について「県議会や国、市町との協調姿勢は評価できる」と一定評価する県議団の検証結果を示した。一方で「県の将来像を明確に描けていない」とも指摘し、夏の知事選で再選を目指す三日月知事を支援するかどうかは、県議会2月定例会議の答弁を見極めた上で月内にも判断する方針だ。
三日月知事は立候補の意向をすでに県連幹部に伝えており、定例会議初日の15日に正式表明する見通し。上野賢一郎会長は「成果を出した点もあれば、物足りない点もある。重要なポイントについて知事の考えを確認したい」と述べ、主張が異なる教育や治水政策について代表質問で問いただす考えを明らかにした。
検証では社会資本整備や経済、教育、知事のリーダーシップなど7項目で評価できる点や政策方向を修正すべき点を列挙した。
社会資本整備における公共事業費の確保や観光施策は「成果が上がりつつある」と評価。県議団が対立してきた嘉田由紀子前知事時代の県政運営と比較し「国や市町との関係は一定の改善が図られた」と好意的に受け止めた。
一方、全国学力・学習状況調査(全国学力テスト)で平均正答率が4年連続で全国平均を下回った小中学生の学力低下や、ソフト対策に力点を置いた治水政策は「政策の強化や転換を求めなければならない」と問題視した。
県議会は昨年12月、国が計画する大戸川ダム(大津市)の早期着工に向け、滋賀など4府県知事が建設「凍結」を求めた2008年の合意を見直すよう迫る決議を可決しており、三日月知事が2月定例会議でどう応じるかが最大の焦点となる。家森茂樹県議団代表は「知事がどこまで自民の考えを取り入れ、歩み寄ってくれるかだ」と話した。