(台北 12日 中央社)小説家の吉本ばななさんが10日、「台北国際ブックフェア」(6~11日)で台湾の小説家、李維菁さんと対談した。新作「SINSIN AND THE MOUSE」で、日本人女性と台湾人男性との恋愛を描いた吉本さん。作品の舞台が台北市内の富錦街であることを明かし、日本と台湾との考え方の違いを理解し、作品にするまでに約20年の歳月をかけたと語った。
吉本さんはまた、婚姻や精神状態、家庭などに問題を抱える読者が多く、それらの人々を「死」に向かわせないために作品を書いていると告白。「SINSIN~」でも、母を亡くした主人公が「死を内包した生」へ踏み出す旅路が描かれている。
吉本さんは先月末、台湾の読者向けに書下ろされた短編ストーリー絵本「切なくそして幸せな、タピオカの夢」と、翻訳版の「サーカスナイト」の2冊を台湾で出版。同フェアで2作品を紹介し、サイン会も行った。