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公家町遺跡出土品など指定・登録へ 京都市文化財保護審

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江戸時代前期の高級陶磁器などの公家町遺跡(安禅寺杉之坊)出土品



京都市文化財保護審議会(井上満郎会長)は21日、京都迎賓館(上京区)の建設に伴う発掘調査の公家町遺跡出土品2件555点を含む10件を市文化財に指定・登録するよう、市に答申した。京都迎賓館関連の発掘調査では初の指定。内訳は建造物3件、美術工芸品5件、有形民俗文化財1件、名勝1件。市指定・登録文化財は519件となる。

 発掘調査は1997~2002年、豊臣秀吉が安土桃山時代に公家屋敷を集約させた公家町跡の一角で実施。今回指定されるのは、門跡寺院の里坊「安禅寺杉之坊」跡と、公家邸宅の「櫛笥(くしげ)家」跡の江戸時代前期の出土品。

 杉之坊の281点は、当時最先端の文化だった煎茶の道具や茶碗をはじめ、高級な肥前磁器の色絵ふた付き鉢、輸入陶磁器など。地下蔵に保管され、1671年の火災後に埋められたとみられる。櫛笥家の274点は、日常用とみられる土師器(はじき)の皿や、塩の専用容器、京焼のほか、当時希少だった中国産陶磁器など。屋敷裏のごみ穴に捨てられたとみられる。

 市文化財保護課は「いずれも江戸前期に門跡・公家が所持した高級陶磁器の実態や、公家と町衆の生活を比較する上で重要な資料」としている。発掘調査では江戸中期や幕末の遺構や出土品もあり、順次整理して指定を目指すという。


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