南投県内の「九九峰」麓にある毓繍美術館=同館提供
(南投 22日 中央社)写実的なアートの展示を主とする中部・南投県の毓繍美術館は、たっぷりの自然に囲まれた環境が自慢。展示館で芸術を楽しめるほか、敷地内にはスタッフが丹精込めた野菜や草花が育つ菜園や、提携農家のブドウ園などもあり、「美術館」という概念にとらわれない魅力が参観者を引き付けている。
同館は、面積の約7割が標高1000メートル以上の山岳地帯という典型的な「山の里」、南投県内の九九峰山ろくに2016年1月にオープンした私営美術館。シンプルで、周囲の自然に溶け込むような建築は、同年、台湾の建築賞を受賞している。
広報担当の胡文翠氏によると、同館はほかにも、付近で芸術関連のインフォメーションセンターや図書館、アーティスト向け施設などの管理・運営をしている。なかでも図書館には、芸術、建築、撮影など専門分野の外国語書籍が約2000冊そろっており、小さな山里に宝の山があるようだと語る胡氏は、「規模としては県内一かも」と胸を張った。
展示館では現在、インスタレーション展「レイ空間」(異空間)などが開催中。台湾人アーティストのほか、加納貴弘氏や須田悦弘氏など、日本人アーティストの作品も見ることができる。「レイ空間」の開催は8月26日まで。完全予約制。(レイ=口の下に力)