伏見工業高全日制で最後の卒業式を迎え、卒業証書を受け取る卒業生
京都府内の全日制と定時制、通信制の公立高計71校(分校含む)で1日、卒業式があった。学校統合により今月末で閉じられる京都市立伏見工業高全日制(伏見区)は同区深草鈴塚町の旧校舎で行い、最後の卒業生が教員や家族らから祝福を受け、伝統と思い出が刻まれた学びやを巣立った。
伏見工業高は1920年に市立工業学校の分教場として設立され、戦後の学制改革を経て63年に現校名になった。ラグビー部が全国高校大会優勝4度を誇るなど歴史を積み重ねた。2016年に同高全日制と洛陽工業高が統合して京都工学院高(伏見区)が開校し、3年生は17年春から現校舎に移って学んでいた。
式は午前9時にホールで始まり、卒業生147人に砂田浩彰校長(55)が卒業証書を手渡した。砂田校長は学校の歴史を振り返り、「これからも困難な課題にチャレンジしてほしい。『伏工魂』は京都工学院が引き継ぎ、発展させる」とはなむけの言葉を贈った。卒業生代表の3年清水奈央さん(18)は答辞で「『最後の伏工』と言われ、誇りに思う。みんな自由で個性的で、認め合い、高め合った高校生活だった」と語った。
また、府内初の昼間2部制定時制として3年前に開校した府立清明高(北区)では、1期生44人が卒業した。府内公立高の今春の卒業生は、特別支援学校高等部などを合わせると約1万3400人だった。