11日に閉幕した「台湾ランタンフェスティバル」の会場の一つ、国立故宮博物院南部院区
(台北 14日 中央社)11日に閉幕した「台湾ランタンフェスティバル」(台湾灯会)の会場の一つになった国立故宮博物院南部院区(嘉義県)のイベント期間中の来館者数が前年同期より約5000人ほど減少していたことが分かった。林正儀故宮院長は14日の立法院(国会)教育及び文化委員会で、来館者数が伸び悩んだ原因として、観光客がランタンフェスを主要目的として来訪していたことを挙げた。
この日の委員会では、複数の立法委員(国会議員)から来館者減少について質問が飛んだ。与党・民進党の張廖万堅議員は、今年のランタンフェスの来場者数が1000万人近くに上ったことを指摘。南院の来館者数が落ち込んだのは宣伝活動に問題があったからではないかと疑念をぶつけた。野党・時代力量の黄国昌議員も同様に、期間中の南院の来館者が15万人にも満たなかったことに疑問を投げかけた。
林院長は、期間中の誘客策として、ランタンフェス会場に故宮のデジタル作品を展示する施設を設けたほか、午後3時以降の入館料を無料にするサービスを実施したことを説明。だが、観光客の多くはランタンフェスの見物をメーンにしていたとの見解を示した。
会議の休憩時間に取材に応じた李静慧故宮副院長は、今回のランタンフェスの会場面積が過去最大と称されていたことに触れ、南院にたどり着いたころにはすでに疲れていたために入館を諦める人が多かったのではないかと分析する。また、ランタンフェスによる交通規制でツアーバスが南院に入れず、団体客が来館を取り止めるケースもあったと明かした。
今年のランタンフェスは嘉義県政府から南院までの一帯、約50ヘクタールで開催。南院の会場は先月16日から点灯が始まり、屋外の庭園や湖、橋で日本の地方自治体やシンガポール、インドなどが出展した作品の展示や光のショーなどが行なわれた。