高々と燃え上がる大松明
春の訪れを告げる「お松明(たいまつ)式」が15日夜、京都市右京区の嵯峨釈迦(しゃか)堂(清凉寺)であった。大松明に点火されると大きな火柱が立ったり火の粉が舞い上がったりして夜空を焦がした。
釈迦が亡くなった日とされる涅槃会(ねはんえ)の行事の一環。釈迦が荼毘(だび)に付される様子を表すという伝承がある。松明の燃え方でその年の農作物の豊凶を占うという。
大松明は3基あり、地元の保存会が松の木を組んで藤づるで固定し、松の葉を当てるなどして三角すいの形に整えて作られる。早稲(わせ)、中稲(なかて)、晩稲(おくて)に見立てられ、長さが少しずつ異なる。
午後8時半ごろ、僧侶による読経と拍子木、鈴(りん)が響く中、長さ約6・4メートル~約5・8メートルの3基の大松明が、護摩壇の火で点火された。燃え盛ると、取り囲んでいた見物客たちは熱さで後ずさったり歓声を上げたりしていた。