台中メトロ(MRT)ブルーラインの路線図=台中市政府交通局提供
(台中 6日 中央社)台中市西部と中心部を結ぶ台中メトロ(MRT)ブルーラインの建設計画が年内にも正式に始動することが分かった。同市交通局の王義川局長が5日、実行可能性調査報告が先月末に交通部(交通省)の審査を通過したと発表した。これは建設計画の事実上の決定となる。年内に実質的な設計作業に入るとしている。
同線は台湾鉄路管理局(台鉄)の沙鹿駅から市中心部を貫く大通り「市民大道」を経由し、台鉄台中駅までを結ぶ全長21.3キロの路線。15駅が設置される。中心部は渋滞が深刻化しており、MRT建設によって混雑緩和をねらう。昨年3月には蔡英文政権の大規模インフラ整備計画に盛り込まれた。総工費は約841億6400万台湾元(約3086億円)。1日当たりの平均輸送人員は23万600人を目標とする。
王局長によると、市政府は当初、同線の西端を台中港とする案を主張していたが、交通部から採算性への懸念が示され、第1期としてまず手前の沙鹿を終点とすることで合意したという。王局長は、台中港と同港を抱える梧棲区は同市の三大副都心の一つだと言及し、沙鹿―台中港間を第2期の建設計画に組み込める可能性は高いとの見方を示した。
同市では近年、鉄道網の整備が進展している。現在は、市都市部の南西と北東を結ぶMRTグリーンラインの建設や台鉄山線の高架化が進められているほか、鉄道環状線計画の一環として、山線と海線をつなぐ「微笑山手線」の建設工事が今年にも始まる予定。