鳳凰堂前のフジ
京都府宇治市宇治の平等院鳳凰堂前にある藤棚のフジが見頃を迎えた。近年、開花不良が続いていたが世話を続け、「美しく見える数」とされる2万に迫る花房が7年ぶりに付いた。20日は今年の最高気温を記録し、青空の下で多くの参拝者が風情を楽しんだ。
鳳凰堂前には樹齢約300年の4株が植わる。土壌のバランスが崩れ、2012年に突然、全く花が付かなくなった。同寺は剪定(せんてい)や土壌改良で少しずつ再生を図って徐々に開花数を増やし、今年は1万8千房を見込む。
この日は朝から気温が急上昇。京都地方気象台によると京都市で午後3時前に最高気温28・2度に達し、6月下旬並みとなった。フジがほのかな甘い香りを漂わせ、幾筋も垂れ下がる薄紫色の房花を参拝者が撮影していた。
神居文彰住職は「平等院とフジの姿は長年変わらない。今年はとても良い花を見ていただけると思う」と話す。見頃は来週末までという。