警察ともみ合いになったデモ参加者ら
(台北 25日 中央社)蔡英文政権の年金改革に反発するデモが23日、台北市内で行われた。途中、警察ともみ合いになり、警察官2人が鼻や手指などにけがを負ったほか、取材中の記者4人が殴打された。
年金改革は現行の年金制度における職業間・世代間格差の解消を目指すもの。7月から、公務員の退職金に適用されていた18%の優遇金利の引き下げなどが盛り込まれた新制度が施行される。退職した警察官や消防官、公務員などが参加する各団体は、これに強く反発している。
今回のデモは、23日から2日間の日程で行われた。台北市警察局によると、23日の午後、陳情のために監察院に進入しようとしたデモ隊と警備に当たっていた警察官とが衝突、もみ合いの中で負傷者が出たという。
同局は24日、防犯カメラの映像などから、記者に暴行を加えた疑いがあるのは、退役軍人1人と元警察官2人であることが判明したと報告。すでに出頭している退役軍人から話を聞いているほか、元警察官にも出頭を求める。記者は提訴しており、警察側は、容疑者は社会秩序維持法違反などの罪で書類送検される可能性もあり得るとしている。