国民党の丁守中氏
(台北 3日 中央社)今年11月末に行われる台北市長選に向け、与野党の候補者選びが本格化している。2014年の前回選挙で1998年から4期16年連続独占していた市長ポストを失い、巻き返しを図る野党・国民党は2日、党内の支持率調査の結果を公表し、最も高い支持率を勝ち取った元立法委員(国会議員)の丁守中氏を擁立する方針を固めた。一方、前回同様に無所属の柯文哲・現市長を支援するかに注目が集まる与党・民進党は、独自候補の擁立に向けて調整を進めているとみられている。
丁氏が台北市長選への出馬を表明するのは5回目で、党内予備選突破は今回が初めて。今回の予備選には丁氏も含めた4人が参加していたが、丁氏は他の3人の候補者を約30ポイント上回る47.6%の支持率を獲得して勝利を収めた。同党関係者は、世論調査の支持率では柯市長とほぼ互角だとしながらも、若者に人気の柯市長にどう対抗するかが丁氏の今後の課題だと分析している。
一方、与党・民進党は、党内で意見がまとまっておらず、協議が続けられている。出馬を表明しているのは、姚文智立法委員や呂秀蓮元副総統、南部・台南の首長を2期にわたって務めた蘇煥智氏など。1日夜、同党の選挙対策を主導するメンバーが台北市内で柯市長と面会し、独自候補を立てる方針を伝えた。柯市長は尊重する意向を示したとされる。同党は2日、市長選に向けた会合を召集。出席者によれば、独自候補擁立を主張する声が相次ぎ、柯市長については話題に上らなかったという。