孫越さん
(台北 3日 中央社)元俳優で慈善活動家の孫越さんが1日、敗血症性ショックによる多臓器不全で死去した。87歳。孫さんを治療していた台湾大学病院が2日、明らかにした。孫さんは俳優として活躍した後、俳優業引退を宣言し、慈善活動家に転身。チャリティー広告に出演するなどし、「孫おじさん」として親しまれていた。
孫さんは1930年、中国大陸・浙江省生まれ。軍人として台湾に移った後、軍の劇団に入団したのを機に演劇の道に入った。数々の映画に出演し、1983年には台湾の権威ある映画賞「ゴールデン・ホース・アワード」(金馬奨)で主演男優賞を受賞。俳優として絶頂期を迎えたが、同年、1年のうち8カ月を慈善活動に費やすと発表。1989年には引退を宣言し、その後は慈善活動に全力を傾けた。特にたばこの健康被害について関心を持ち、たばこの害を防止する法律の制定に向けて尽力したほか、日本企業によるたばこ工場設置をめぐっては、反対活動を行うなどしていた。
蔡英文総統は2日、フェイスブックに追悼のコメントを投稿し、「彼(孫さん)の温かな声、慈善活動への貢献は永遠にわれわれの心に生き続けます」と悼んだ。