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築107年、韓国の日本邸宅を記録に 調査、出版へ/京都

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改修されることになった故迫間房太郎氏の邸宅(韓国・釜山)


京都市内の茶道家らが、韓国・釜山に残る日本人実業家の邸宅を記録した本を11月に出版する。1910年の韓国併合直前に建てられた邸宅は8月から改修が始まっており、茶道家らは「107年残った邸宅の元の姿を歴史に残したい」としている。

 実業家は和歌山県紀の川市出身の故迫間房太郎氏。21歳で朝鮮半島に渡り、水産会社や貿易会社を経営し、「釜山の二大資産家」と呼ばれた。

 邸宅は瓦ぶき木造2階建ての和風建築で、1909年に温泉街で知られる釜山に別荘として建てられた。太平洋戦争後は米進駐軍の宿舎となり、現在は飲食店として使われている。設計は武者小路千家の茶人で木津家3代の聿斎(いっさい)宗泉が手掛けたという。

 当代の木津宗詮さん(53)は約10年前、3代が迫間氏の邸宅を設計したことを日本建築をまとめた論文で知った。邸宅が改修されると聞き、「せめて原型の記録だけでも残したい」と、7月に建築家や写真家ら約20人と現地を訪れ、邸宅を実測し、写真を撮影した。記録をまとめ、本にして出版する。

 木津さんは「韓国で100年以上の歴史がある日本建築は珍しいと思う。日本の文化財のあり方を考えてもらうきっかけにしたい」と話す。


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