大陸委員会の邱垂正副主任委員
(台北 28日 中央社)対中国大陸政策を担当する大陸委員会の邱垂正副主任委員は28日、台湾への渡航を希望する中国大陸当局関係者の審査を強化する方針を示した。中国大陸の外交圧力を背景に中華民国(台湾)が西アフリカのブルキナファソと断交したのを受けて蔡英文総統は中国大陸の「横暴な行為」に対し「これ以上黙って耐えることはしない」と談話の中で述べており、この発言の真意を問う記者の質問に答えた。
「一つの中国」を前提とした「92年コンセンサス」(九二共識)を認めない蔡政権に対し、中国大陸は圧力を強めている。2016年5月の政権発足以来、国交締結国との断交が相次いでおり、今月に入ってからは、カリブ海の島国ドミニカ共和国とブルキナファソ、2カ国との断交に追い込まれた。
邱副主任委員は28日、立法院(国会)外交委員会で外交政策に関する報告などを行った。開会前、メディアの取材に応じ、中国大陸の外交圧力や軍事的威嚇、両岸(台湾と中国大陸)間における非友好的な行為は手段を選ばないものだと言及。あらゆるレベルの中国大陸当局関係者に対して渡航審査をより厳しく行うことは安全保障上必要な措置だと説明した上で、違法行為があった場合には厳正に対処するとした。
中国大陸の大学が台北市内のホテルで、食事会という名目で教員の面接を行う予定であることが一部メディアの報道により明らかとなり、政府の注意を引いたことで27日までにイベントの中止が決まった。邱副主任委員はこれについて、同大学は台湾への渡航許可を申請する際、イベントに関する記載をしていなかったと説明。中国大陸の団体は両岸間の取り決めを遵守する必要があり、台湾で許可を得ていない活動を行うことは許されないと述べた。