ニコラス・テオ(右から2人目)やリエン・ユーハン(左から3人目)などドラマ「一千個晩安」の出演者ら
(台北 1日 中央社)昨年6月に事故死した映画監督、チー・ポーリン(齊柏林)さんが生前撮影した空撮映像を取り入れたTVドラマの製作が1日、発表された。同作は動画配信サービス「ネットフリックス」でも配信され、世界190を超える国・地域で見られるようになる。同作を通じて、チー監督が捉えた美しい台湾の風景を世界に紹介する。
チー監督は、全編空撮で台湾の風景を映し出したドキュメンタリー映画「天空からの招待状」(看見台湾、2013年)の監督として知られる。同作は大ヒットし、続編にも注目が集まっていたが、チー監督は昨年6月、続編撮影中に起きたヘリコプターの墜落事故によりこの世を去った。52歳だった。
製作されるドラマ「一千個晩安」は元々、チー監督が視覚ディレクターに就任する予定だった。だが、監督の死去やキャスト変更などが相次ぎ、撮影開始が遅れていた。退職した元鉄道員の娘が父親の「台湾一周」の夢をかなえようとするという物語。作品中にはチー監督の空撮映像に加え、製作チームが台湾各地を山奥にまで足を踏み入れて撮影した美しい風景が登場する。
キャストはニコラス・テオ(張棟[木梁])、リエン・ユーハン(連兪涵)ら。リン・チンチェン(林清振)監督がメガホンを取る。
この日、製作発表会が台北市内で行われ、クランクインが宣言された。「天空~」を製作した台湾阿布電影の万冠麗董事長(会長)は、「チー監督が生きていたら、きっととても興奮していたことでしょう。なぜならこれはチー監督にとって初のドラマ進出だったから」と感慨深げに語った。
同作は全20話の予定。関連したドキュメンタリー作品の製作や撮影展の開催も計画されている。