年金改革施行 蔡総統、国民の理解に感謝

年金改革施行 蔡総統、国民の理解に感謝


蔡英文氏　

（台北 2日 中央社）職業軍人や公務員、教職員を対象とした年金改革関連法が1日、施行された。年金改革は蔡英文総統が力を入れてきた重要政策の一つ。退役軍人などによる強い反発がある中での施行となった。蔡総統は同日、フェイスブックで、退職軍人や公務員、教職員を含む全ての国民の理解や支持などに感謝を示した。

年金改革は旧年金制度に存在していた職業間・世代間格差を解消し、国家財政を永続的に維持するのがねらい。新法では軍人や公務員、教職員に適用されていた18％の退職金優遇利率が段階的に廃止される。昨年6月に公務員、教職員の年金、今年6月には軍人の年金に関する条例がそれぞれ立法院（国会）で成立していた。

年金改革は馬英九政権下の2012年に打ち出されていたが、翌年の国会閉会までに進展がなく、頓挫していた。蔡総統は2016年の就任演説で年金改革の必要性を訴え、国是会議の開催を宣言。意欲的に改革を推進し、施行にこぎつけた。

関連法案の成立までには反対派の抗議活動が相次いだ。昨年台北市内で行われたユニバーシアード夏季大会の開会式では抗議団体の妨害により選手の入場が中断したほか、今年4月には抗議集会に参加していた市民が立法院の敷地内に突入し、32人が警察に拘束された。

▽年金改革「支持」が6割強＝世論調査

与党・民進党系のシンクタンク、台湾世代智庫が2日発表した年金改革の評価に関する世論調査結果によると、年金改革を「支持する」と回答した人は64.2％に上り、「支持しない」の25.3％を大きく上回った。一方で、今回の改革の結果に「満足している」と回答したのは55％、「不満」は38.9％だった。

調査は6月25～26日、台湾の有権者を対象に、コンピューターで無作為に発生させた番号に電話をかけるRDD（ランダム・デジット・ダイヤリング）法で実施。1073件の有効回答を得た。