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独音楽家、笙に着想の新楽器 京都滞在し制作

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独音楽家、笙に着想の新楽器 京都滞在し制作


新楽器「微分音ハーモニカ」を演奏するルンメルさん 


京都に滞在中のドイツ人音楽家が、雅楽の管楽器「笙(しょう)」に着想を得た新楽器の制作に取り組んでいる。ジュースの紙パックや、ホームセンターで買った配管用パイプなどさまざまな材料を駆使し、笙の音の再現を目指している。14日に、京都市左京区のゲーテ・インスティトゥート・ヴィラ鴨川で、笙奏者と念願の共演を果たす。

 ジモン・ルンメルさん(39)で、ケルン音楽大などで作曲とピアノ、美術を学び、2003年ごろから自作の楽器での演奏も行ってきた。笙との出合いは10年以上前。安売りで買った電子音楽のCDの中に、なぜか笙の演奏曲が入っていた。「一体これは何だ」。未知の音に興味を覚えた。

 一昨年に来日し、笙の制作者とも会った。自作楽器で笙と一緒に演奏したいと、3カ月間滞在して創作活動するヴィラ鴨川のレジデンスプログラムに応募し、今年4月中旬から京都で制作を始めた。

 新楽器は、ピアノなどの半音よりもさらに細かい音程が出るという意味で「微分音ハーモニカ」と名付けた。竹の管を束ねた笙とは見た目は異なるが、空中につるしたパイプに笙と同じ15枚の金属製のリードをつけ、空気を送り込んでふるわせることで、笙に似た音を出す。他にも紙パックや紙風船にチューブをつないだものなど、さまざまな素材で試行錯誤しており、「高貴な笙にふさわしい楽器で演奏したい」と、改良を重ねている。

 演奏会は午後6時から。笙奏者の伊藤えりさんとともにルンメルさんが作曲した新曲を奏でる。7日午後3時からは、ルンメルさんらが登壇するカルチャートークもある。いずれも無料。申し込み不要。問い合わせはヴィラ鴨川075(761)2188=日、月、祝休み。
(京都新聞)


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