延期が続いている桃園メトロ(MRT)空港線の監督管理調査委員会は27日、システムの安全や安定性に関する問題は全て把握・解決済みだとして、開業に向けた取り組みを積極的に進めるよう提言した。ただ、同線の運行速度は当初の目標に達しておらず、このまま開業を迎えた場合、5分の予定だった運転間隔はピーク時で6分、平常時で7.5分にまで延びる可能性がある。
消息筋によると、交通部(交通省)は先に同線を開業させ、後から運行速度などの改善を進めていく方針だという。
空港線は、台北駅と桃園国際空港第1ターミナルを最短35分で結ぶ計画だったが、テスト結果は36分。運行速度も直通列車の時速60キロ、各駅停車の時速45キロに対して、57キロ、39キロしか出せていない。
交通部高速鉄路工程局によると、主な原因はシステムのソフトウェアだが、工事を請け負う丸紅とその下請けのシーメンスの契約問題も絡み、改善に時間がかかっている。
空港線の建設計画は1990年代前半からあり、当初は台湾高速鉄路(新幹線)と同様、BOT(建設・運営・譲渡)方式が採用される予定だった。だが、落札した企業に財務上の問題が発生し、計画は頓挫している。
その後、2003年に政府が引き継ぐことになり、2006年に着工。当初は2009年1月に開業予定だった。しかし、一部区間の地下化や建材価格の高騰による工事の遅れ、契約トラブルなどがあって、同線は計6回にわたり延期。市民からは早期開業を求める声が上がっている。