滋賀県日野町は、築100年になる近江鉄道日野駅(同町内池)の木造駅舎を改修し、カフェや観光案内所を併設した交流施設として整備する。2日開会の町議会9月定例会に提案した本年度一般会計補正予算案に同社への事業費補助金3120万円を盛り込んだほか、一般からの寄付も募る。
同駅は1900(明治33)年の開業で、構内の複線化に伴って16(大正5)年に改築された駅舎が現在も使われている。老朽化が進み一時は取り壊しも検討されたが、町は「駅舎は町の宝」として保存する意向を示し、本年度当初予算に2千万円を計上した。
改修工事は近江鉄道が実施し、建物を補修して耐震性を確保するほか、現在は駅事務室やタクシー乗務員の待機室として使われている部分に、カフェコーナーや観光案内所を設ける。10月末に着工、年度内の完了を予定しており、改修後の交流施設部分は町が所有する方向で同社と協議している。
また、プラットホーム上の待合室や駅前広場など駅舎以外については、インターネットを利用したクラウドファンディングなどで町内外から寄付金を募って改修に役立てる方針。
町は「今と昔、都会と田舎をつなぐ『心の交流の玄関口』となる駅を目指したい」としている。