作品が並ぶ京都市左京区・市美術館
99歳まで現役で活躍し、昨年8月に亡くなった京都の染色家三浦景生(かげお)さんを回顧する「三浦景生の染め 白寿の軌跡」展(京都新聞など主催)の報道内覧会が5日、京都市左京区の市美術館で開かれた。生命の喜びを歌うように宙を飛ぶ野菜や花など、独創的な世界が広がっている。
1916年生まれの三浦さんは戦後、日展を中心に作品を発表した。同展は、初期から晩年までろう染めの屏風(びょうぶ)、額装など代表作を含む計約100点を通して足取りをたどる。
ウドやトウガラシがリズミカルに整列し、透明感のある色彩で浮かび上がる大作屏風「菜根譚(たん)」をはじめ、切った布をはめ込む独自の「布象眼」の技法で制作した作品が並んだ。晩年に手掛けた陶筥(ばこびょう)、陶板、イメージの源となった写生、下絵も多数公開し、遊び心と実験精神を失わなかった創造のありようを伝えている。6日から18日まで。月曜休館。有料。