救助訓練で、人力車に積載したAEDを取りに向かう車夫
AED(自動体外式除細動器)を積んだ人力車1台が5日、京都市東山区で運用を始めた。観光客の多い「ねねの道」で出発式が行われ、関係者が安全を祈った。東山消防署によるとAED積載の人力車は全国初という。
人力車で観光案内している「ベリープロジェクト えびす屋」が、同消防署の提案を受けて導入した。東山区の清水寺から銀閣寺周辺を営業エリアに持つ「えびすや東山」で運用する。
この日は、出発式とAEDを使った救命訓練があった。人力車を引く車夫が、倒れている観光客を発見したと想定。乗客や通行人役と協力し、通報やAEDによる救命活動を体験した。
えびす屋東山の石井義之所長(55)によると、同社の車夫の9割近くはAEDの講習を受けているという。AEDの重さは約1キロで、人力車は約80キロ。「重さは何の問題もない。万が一の事態に備えて、地域の安全に貢献したい」と話した。