北京市内の「85度C」の店舗
(台北 15日 中央社)蔡英文総統が中南米歴訪の経由地ロサンゼルスで立ち寄った台湾発祥のカフェチェーン「85度C」に、中国のネットユーザーから「台湾独立派企業」と非難が殺到し、不買運動が広がる事態に発展している。総統府の黄重諺報道官は15日、自身のイデオロギーをグローバル企業に押し付けるのは文明社会にあるまじき行為だとし、市場の秩序と言論の自由を侵害するやり方を非難すると述べた。
蔡総統は12日のロサンゼルス滞在中に現地の85度Cに立ち寄り、コーヒーを購入するほか、従業員らと触れ合った。だが関連の写真が公開されると、短文投稿サイト「ウェイボ」(微博)の85度C公式アカウントには、不買を表明するコメントが殺到。中国の現地法人は15日、声明文を発表し、「一つの中国」原則を台湾と中国が確認したとされる「92年コンセンサス」の支持を強調した。
台湾の現地法人も15日、「企業も従業員の面倒を見る責任へのプレッシャーがある」「両岸の平和的発展により、商売人が経済のために努力していけることを望む」と2点の声明を出した。
85度Cは2004年7月、北部・新北市に1号店をオープン。13年で中国、米国、オーストラリア、香港にも店舗を拡大し、総店舗数は1000軒を超える。今年3月末の時点で、中国の店舗は589軒に上り、台湾の435軒を上回っている。運営元のGourmet Masterはケイマン諸島に登記上の本社を置く。