昨年、三井寺で開かれた天台三総本山の声明公演
大津市の延暦寺、園城寺(三井寺)、西教寺の天台系三総本山は14日午後6時半から、僧侶の唱える声楽「声明」公演を同市坂本5丁目の西教寺で開く。「仲秋の名月」にちなんだ声明をはじめ、各総本山が荘厳な調べを披露する。
公演は、普段聴く機会の少ない声明を一度に楽しんでもらおうと、三総本山とびわ湖大津観光協会の主催で、昨年に続いて2度目。声明は経文や真言に旋律をつけて唱える仏教声楽曲。天台宗の宗祖最澄らが唐から持ち帰った後、三総本山が独自に発展させてきた。
今回、西教寺は鎌倉時代後期の上流階級の間で歌われていた宴曲「月」を雅楽と合奏する。一時途絶えていたが、1977年に復元されてから天台真盛宗のみで演奏されているという。同寺の中島敬瑞社会部主事は「月夜に照らされる境内と古来続く声明で、秋の長夜を楽しんでほしい」と話す。有料。