五大尊像の一つ「軍荼利明王」
東寺(教王護国寺、京都市南区)はこのほど、「秋期特別公開」で宝物館に陳列する文化財を発表した。国宝の仏画「五大尊像」の一部や、境内の国宝御影堂(みえどう)に安置されている愛染明王坐像など66点が並ぶ。
特別公開は、仏教の敵を懲らしめ教え導く役割の明王に焦点を当てる。五大尊像は、正月に宮中で行われた重要な法要「後七日御修法(ごしちにちのみしほ)」で使用された。いずれも平安末期に描かれた図像で、前期は軍荼利(ぐんだり)明王、後期は大威徳明王を展示する。
御影堂の修理に伴い、通常は同堂内にある愛染明王坐像のほか、釈迦(しゃか)如来立像や弥勒菩薩(みろくぼさつ)立像を宝物館に移し陳列。室町期の法要に参加した僧の名簿「東寺西院不動堂臨時祈祷(きとう)着到」を初公開する。
東寺の新見康子・文化財保護課長は「明王が多いのは密教寺院の特徴だ。東寺の歴史を見て体感してもらえると思う」と話す。
秋期特別公開は前期が20日から10月23日まで。後期は同24日から11月25日まで。大人500円、小中学生300円。