手をたたき、音の響きに聞き入る観光客
京都市上京区の臨済宗相国寺派大本山・相国寺で25日、秋の特別拝観が始まった。国内最古の法堂(はっとう)(重要文化財)や開山した夢窓国師像を安置した開山堂、168畳に及ぶ方丈が公開され、初日から大勢の参拝者が訪れた。
法堂は豊臣秀頼の寄進により1605年に再建された。高さ11メートルの天井には狩野光信筆の円周9メートルの「蟠龍(ばんりゅう)図」が描かれ、真下で手を打つと堂内に独特の響きが生まれることから「鳴き龍」とも呼ばれている。
秋だけ公開される開山堂の前庭は、本来は表と裏で分かれる禅宗の庭が一つになった珍しい庭で、かつて御所に水を供給していた水路の跡も残っている。観光客らは白砂が敷き詰められた静かな空間を眺め、ひとときを過ごしていた。
友人と訪れた大阪市の岡本規子さん(77)は「法堂の蟠龍図のにらみは迫力があった。独特な反響音も心に届き、不思議な思いになった」と話した。
12月15日まで(10月18~21日は拝観休止)。有料。