修理を終えてよみがえった「旧三井家下鴨別邸」
明治、大正時代の特徴的な近代和風建築を伝える重要文化財・旧三井家下鴨別邸(京都市左京区)の保存修理が終わり、24日に完成式典が行われた。地元住民や行政関係者ら約50人が見学し、美しくよみがえった邸宅の情趣を味わった。
同別邸を管理する市によると、現在の建物は1925(大正14)年に建てられた。戦後、三井家が国に譲渡し、長く家庭裁判所所長宿舎として利用された。2011年に重文指定され、12年から市が大規模な修繕と庭園の再生を進めた。
建物は望楼付きの主屋と玄関棟、茶室の3棟から成る。修理中には建築年代が不明だった茶室から1868(慶応4)年の祈禱(きとう)札が見つかり、幕末期以前と判明した。式典で門川大作市長は「京都の古い建物は木と土と紙ででき、必ず朽ちる。しっかり保全して後世に継承したい」と述べた。
市は10月1日から同別邸1階部分を有料で常時公開する。