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チョコ色香る着物 和装デザイナー、丹後ちりめんで制作/京都

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チョコレートの原料のカカオ粉末で染めた丹後ちりめんの着物


 チョコレートの原料のカカオ粉末を使って生地を染め、特有の香りも残した丹後ちりめんの着物を京都市の和装デザイナーの男性が制作した。来月にイタリア・トリノ市などで開かれる日本とイタリアの国交150周年の記念イベントで、互いの伝統文化融合の象徴として披露する。

 上京区で着物制作会社を経営する冨田伸明さん(53)。着物を世界に発信する活動を続けている縁で、「チョコレートの街」として有名なトリノ市から日伊友好の記念として依頼された。トリノ市が調達した高級チョコ店のカカオパウダーを使い、着物の染料に混ぜて染め上げた。

 実は4年前にも冨田さんはチョコを溶かして染めた着物を試作したが、生地を高温で蒸す過程で香りが失われた。試行錯誤を繰り返し、裏地に熱を加える方法で色と香りを安定させることに成功したという。

 白地にチョコレート色の唐草文様を描いた小紋と、桜の花をあしらったシックな羽織の2種類を制作した。同じ技法で肩掛けカバンやボタンも仕上げた。いずれも生地からほんのりとカカオの香りがする。

 10月6日にトリノの宮殿で、日伊が通商条約を締結して150年になるのを記念して行われるイベントの着物着付けショーで、一般参加者に着てもらう。カバンやボタンは今後販売する予定。冨田さんは「香る着物の実現に苦労したが、日伊両国の誇りを融合できた。新たな市場の開拓で仕事をつくり、京都の織物産業を盛り上げたい」と話す。



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