園林堂にある棟方志功筆のふすま絵
真宗大谷派本山・東本願寺の飛び地境内「渉成園」(枳殼邸、京都市下京区)の秋の特別公開が6日まで行われている。通常は非公開の建物内で、版画家棟方志功筆のふすま絵や、大政奉還に関する文書などを鑑賞できる。
棟方のふすま絵は、園内中央部の持仏堂「園林(おんりん)堂」にあり、雄々しく伸びる杉や、園内の池に映る満月などを力強い筆致で描いている。大広間「閬風(ろうふう)亭」では、京都市が進める「大政奉還150周年記念プロジェクト」に合わせ、徳川慶喜が書いた「渉成園」の額をはじめ、兵糧米提供への礼状などが並ぶ。漫画家井上雄彦(たけひこ)さんによる親鸞の屏風(びょうぶ)絵もある。
友人らと訪れた主婦浅井文世さん(65)=愛知県一宮市=は「ふすま絵はとても迫力があって良かった。棟方の描いている姿が見えるよう」と話した。
涉成園は国の名勝。通常は庭園のみの公開で、建物内は拝観できない。庭園維持寄付金600円が必要。