イメージ写真
幅広く募った投資で京町家の再生を後押しするため、京都市景観・まちづくりセンターが本年度に始めた「京町家まちづくりクラウドファンディング支援事業」の第1号に、大正時代に建てられ現在は空き家となっている中京区西ノ京の町家を1棟貸しの旅館に改修する計画が選ばれた。錫(すず)工芸品の公開工房も併設し、二条城南側一帯の活性化に役立てる。
クラウドファンディングは、インターネットで小口の資金を募る仕組み。支援事業では、京町家を店舗などに活用する事業者が資金調達する際、手続きにかかる費用を助成する。事業者が設定した募集目標額に届かなければ、差額の一部を市などが補助した基金から投資する。
市景観・まちづくりセンターが今夏まで支援対象を募集し、複数の問い合わせがあった。収益性やまちづくりの観点から、工務店「中藏」(中京区)による旅館への改修計画を選んだ。「清課堂」(同区)による錫製品の工房を併設する。近くの京都三条会商店街の地図を配って食事場所などを案内する連携も検討している。
1口5万4千円で出資を募り、目標額の630万円に達した。出資者は口数に応じて当該旅館の宿泊券などがもらえる。
市の2008~09年度の調査では、1950年以前に建てられた木造家屋の京町家は市内に約4万8千軒で、うち約5千軒が空き家。同センターは「全国から資金を募ることで、京町家への関心も広がれば」と期待する。本年度の支援事業として残り4件への応募を呼び掛けている。
問い合わせは市景観・まちづくりセンターTEL075(354)8701。