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狂言堂を江戸期様式に復元へ 京都の清凉寺

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狂言堂の改修前最後の公演に見入る市民ら



京都三大大念仏狂言の一つ「嵯峨大念仏狂言」で知られる清凉寺(京都市右京区)で、狂言堂を江戸時代の様式に復元する工事が近く始まる。同寺で確認できる限り、1911(明治44)年に現在地に移築されて以降、本格的な改修工事は初めてで、2年半かけて実施する。工事期間中、大念仏狂言は本堂脇などで続けられるという。

 清凉寺の狂言堂は、室町時代に建てられたと伝わる。その後、江戸時代と明治末期の2度、敷地内で移築され、今に至る。1階は役者の支度部屋、2階が舞台で、壬生寺の狂言堂は観客が舞台を見下ろす形なのに対し、清凉寺は見上げる構造になっているのが特徴。

 経年劣化で柱が傾くなど傷みが激しく、本格的な改修を行うことにした。工事では、舞台を現在の合板から総ヒノキ造りに替え、入り口を東側から南側にするなど、江戸時代の様式に戻す。
 嵯峨大念仏狂言は国重要無形民俗文化財に指定されているため、費用7千万円のうち、文化庁から半額の補助が出る。残りは寄付金などで賄うという。

 同狂言は63年に一度途切れた後、地域住民らによる保存会が75年に復活させ、狂言堂で公演が続けられてきた。工事で今後2年半、舞台が使えないことで、「サヨナラ公演」と銘打ち行われた先月の公演には多くの市民が訪れ、改修前の最後の姿を目に焼き付けた。

 同寺の鵜飼光昌住職(59)と保存会事務局長の加納敬二さん(65)は「狂言を次世代につなぐスタートラインにようやく立てた。工期は長いが、新しくなった狂言堂を観光客の人にまた見てほしい」と声をそろえる。
 

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