日本がこの時期に買い付けるニホンウナギの稚魚のシラスウナギが、台湾の空港で乗客が預けた荷物から大量に見つかり、税関は、台湾で取れたシラスウナギを密輸しようとした疑いがあると見て、詳しく調べています。
台湾の税関によりますと26日、台湾北部の桃園国際空港で、香港に向かう航空機に搭乗する予定だった8人の預け入れ荷物の中から、袋に入ったシラスウナギ、合わせて32万匹が見つかりました。
シラスウナギは、少量の水とともに128個の袋に分けて入れられ、日本円で6000万円近い価格に相当するということで、台湾で没収された量としてはこれまでで最も多いと見られています。
シラスウナギは、日本で土用のうしの日に向けて育てるためこの時期に主に香港から買い付けられ、高値で取り引きされますが、漁場がある台湾では、資源保護のため、輸出が禁止されており、台湾から香港に密輸されたものが、日本に輸出されているという指摘があります。
調べに対し8人は、「人から預かったもので、何が入っているかは知らなかった」と話しているということですが、税関は、手口などから香港に密輸しようとした疑いがあると見て詳しく調べています。
ニホンウナギをめぐっては、漁獲量の減少傾向が続き、国際機関によって絶滅危惧種に指定されていて、資源の保護や適切な管理のため取り引きの透明性を高める取り組みを求める声も出ています。