湯気と香ばしい匂いが境内に立ち込めた
京都市上京区の千本釈迦堂で7日、無病息災を祈る「大根だき」が行われた。大鍋から湯気が立ち上る中、参拝者が熱々の大根をほおばった。
大根だきは鎌倉後期に慈禅(じぜん)上人が始めた。釈迦(しゃか)が悟りを開いた「成道会(じょうどうえ)」に合わせ、断面に梵字(ぼんじ)を書いた大根を参拝者にふるまったのが起源とされる。
境内西側に直径1メートルを越す大鍋が置かれ、約5千本の大根を炊く香ばしい匂いが立ちこめた。神奈川県海老名市から毎年訪れる藤川務さん(66)、由紀子さん(63)夫妻は「これをいただくと、年末を乗り切れます」と笑顔で話した。
二十四節気の「大雪(たいせつ)」に当たるこの日は、冬型の気圧配置で今季一番の冷え込みとなった。京都地方気象台によると、京都市内の朝の最低気温は3・1度を記録、京都御苑(上京区)などで初霜を観測した。
大根だきは、8日も午前10時~午後4時まで行われる。有料。