節分の3日、京都市上京区の廬山寺で追儺(ついな)式鬼法楽が営まれた。欲深さ、怒り、愚かさの人間の三つの煩悩を象徴する3匹の鬼が、法力によって退治される様子を、多くの参拝者が見守った。
午後3時、境内西側の元三大師堂で祈とうが始まった。太鼓やほら貝の音が響き渡る中、たいまつと剣を持った赤鬼、おのを手にした青鬼、つちを構えた黒鬼が大師堂前の舞台に現れた。
3匹の鬼は、舞台に登場した後、悠然と歩いて堂内に入った。鬼は祈とうの妨害をしようと護摩をたく僧侶の周囲を巡ったが、法力で弱り、堂内から退散していった。
境内では、参拝者が鬼の動きに見入り、恐ろしい形相の鬼を見て泣きだす子どももいた。追儺式鬼法楽は平安中期の村上天皇の時代に始まったとされる。「鬼おどり」とも呼ばれ親しまれている。