京都の裏鬼門に位置する壬生寺では、「壬生狂言」の名で知られ、大念仏狂言の上演時に割られる炮烙(ほうらく)の奉納があった。厄よけを祈る多くの人が願い事を素焼きの皿に書いて寺に納めた。
境内の参道では、直径25センチの炮烙が販売され、買い求める人垣ができた。参拝者は「家内安全」「病気平癒」などと願いを筆で書き入れていた。毎年訪れるという、かばん卸売業加藤八郎さん(75)=中京区=は「今年もよい年であることを願って納めました」と話した。
節分に炮烙を納めると1年の災厄を払うとされる。納められた炮烙は、春と秋に行われる壬生狂言幕開けの演目「炮烙割」で使用される。