祇園祭山鉾連合会(事務局・京都市中京区)は、190年前から「休み山」となっている鷹(たか)山の復興に向けた調査委員会を設置し、7日に第1回会合を開催した。2年かけて歴史文献や絵画資料、残されたご神体人形などを検証し、どの時代の、どのような形態の山を復元、製作するかを検討する。連合会が鷹山復興を正式に議論するのは初めてで、検討結果を基に復興が具体化される。
委員会は文化庁の補助金を受け開催。連合会の役員と専門家計9人で構成する。
この日の検討会で岸本吉博連合会理事長(67)は「鷹山の骨格を作りたい。山鉾行事の任に堪えうる山となるよう進める」と話した。
鷹山保存会は4月、山鉾連合会に準加盟した。過去に四つの山鉾の復興に関わった植木行宣会長(84)は「連合会に加盟するということは、国の重要無形民俗文化財とユネスコの無形文化遺産の枠に入るということ。それにふさわしく、品格のあるものにするため議論したい」と話した。出席した鷹山保存会の山田純司理事長(61)は「私たちの世代が復興の最後のチャンスという認識だ」と意気込んだ。
鷹山は、中京区三条通室町西入ルの町内にあった後祭(あとまつり)の曳山(ひきやま)だった。1826(文政9)年の大雨で懸装品が被害に遭い、その翌年から山鉾巡行に参加していない。2014年、囃子(はやし)が復活し、15年に新たに保存会を発足させた。26年までの山の復興を目指している。