耐震改修を控えて休館中の南座
松竹は27日、休館中の南座(京都市東山区)について、外観など現在の建物を保存活用し、耐震補強と設備の大規模改修工事を行う方針を正式に発表した。夏以降に本格的に着手する予定で、年末の「吉例顔見世興行」は別の会場で開催する。
現在の南座は1929(昭和4)年の建築で、鉄筋コンクリート造地上4階地下1階建て。建物が改正耐震改修促進法に基づく診断で、耐震性に問題があることが判明し、昨年2月から休館している。現在、改修に向けた内装の撤去工事や補強工事の計画策定を並行して進めている。
松竹はこの日、夏に法定の第三者機関による工事計画の認定を得られるとの見通しを示し、認定を受けて、工事を本格化させることを明らかにした。劇場の機能や設備の向上を図る改修も併せて行うとしており、「歴史的な景観に溶け込んだ現在の建物を次代に継承、発展させたい。具体的な改修計画の概要については夏ごろには公表したい」と話している。
顔見世が南座以外で開催されるのは、昨年の先斗町歌舞練場(中京区)に続いて2年連続。会場については、今春発表するとしている。