滋賀県の三日月大造知事は27日、かつて琵琶湖で行われていた水上飛行機による遊覧飛行の復活に向け、広島県の航空運送会社と可能性を調査していることを明らかにした。三日月知事は「実現すれば、上空から琵琶湖の雄大さを実感できる素晴らしい観光資源になる」と強調。法的な課題などの解決を支援していく意向を示した。
調査しているのは、広島県尾道市の「せとうちSEAPLANES(シープレーンズ)」。海や川で離着陸できる水陸両用の飛行機を使った遊覧飛行などを行い、松江市でも就航を検討している。滋賀県とは昨年春から調整を始め、同社は「水上機の特性上、水域や風向きなどによってどこでも降りられるわけではない。地元の理解も必要となり、観光の可能性を一緒に調査していこうという段階」と話す。
県議会で三日月知事は「水上飛行機は観光振興に大きく寄与し、琵琶湖を世界に発信できる」とし、関西国際空港と琵琶湖を結べば観光客らの移動時間短縮にもつながると期待を述べた。一方で、河川法や自然公園法、漁業関係者との調整や釣り舟の安全確保など課題を指摘。「事業者の考え方を具体的に聞きながら関係課で連携し、対応策を検討していく必要がある」とし、協力していく姿勢を示した。
琵琶湖では1961年から72年まで大津市の浜大津で水上飛行機が運航されていた。廃止後も経済界を中心に再開を目指す動きが出るなど、遊覧飛行復活への期待が根強い。