(台北 1日 中央社)扇平森林生態科学園(高雄市)で、日本統治時代の1914(大正3)年に建造された木造宿舎が修復を終えて一般公開された。行政院(内閣)農業委員会林業試験所は園内で最も歴史的価値があり、完全な状態で残されている建物だとして、貴重さをアピールしている。
当初は京都大学の演習林長が暮らす宿舎として利用された。木材には台湾名産のヒノキやタイワンオガタマノキが使われている。建物は地上から70センチ離れた高床式。採光性や通気性に優れ、防湿効果もあり、夏は涼しく、冬は暖かく過ごせたとされる。
関係者によると、戦後は宿泊施設として利用されていたが、心ない破壊行為が行われ、1995年に修復が行われてから一般への開放が禁止されていた。ただ、その後の地震や台風で建物が損傷。16年には再び修復され、完成を受けて改めて一般への公開が解禁されたという。
建物の見学には予約が必要。専門ガイドによる解説があり、毎年11月から翌年4月まで受け付けるとしている。