台湾をツアーで訪れた日本人観光客の多くは、台湾の著名なレストラン「鼎泰豊」で小籠包を食べた経験を持っているかもしれない。台湾メディア・中国時報電子版は2日、日本の観光ツアーが必ずと言っていいほど鼎泰豊を訪れる理由について、現地ガイドの解説を紹介する記事を掲載した。
記事は、鼎泰豊の小籠包がもはや外国人観光客にとって外せないグルメの1つとなっていると紹介。一方で、満足する人もいれば、まあまあと言う人、さらには「路地にあるあの店の方が美味しい」などとこぼす人もいるとした。そのうえで「日本のツアーが必ず鼎泰豊を訪れる理由」について台湾人男性ガイドが、「小籠包云々よりも、実は鼎泰豊の細かいサービスが優れているのである」と分析したことを伝えた。
このガイドは、自らの観察結果などから鼎泰豊の賞賛すべき点を列挙。従業員のレベルが高くマルチリンガルに対応していること、客がどの国・地域からやってきたかによって料理を出す順番を調節すること、客が服を汚した時に拭き取ってくれること、醤油などの瓶がべとついたり漏れたりしないこと、2時間に1度服装やサービスのチェックを行うこと、つまようじに歯間ブラシが付いていることなどを示している。
記事はさらに、このガイドが「鼎泰豊は空気、水、温度にもこだわっており、どこの支店でも同じ味を食べることができる。食材管理の基準も厳しい」とも評したことを紹介。これに対して現地のネットユーザーからは「この人は鼎泰豊の回し者か」といった声が出る一方、「定番中の定番」として鼎泰豊が選ばれるにはそれなりの理由があるのだと納得し、賞賛するユーザーもいたと伝えた。
ツアー客となると、一度に多くの客をさばく必要が出てくるが、全てのレストランがそのような対応をできる訳ではない。対応の良し悪しは店の評価のみならず、ツアー全体の評価、旅行会社の評価にもつながるわけであり、旅行会社側としても自然と「ここなら問題ない」という店を選ぶことになる。
団体ツアーは、いわば現地観光の「入門編」。そこで気にいれば、今度は個人旅行あるいはフリープランで、と考えるようになる。ツアーで立ち寄ったレストランに大いに満足したならば、個人旅行で再訪すればいい。もっと他にもいい店があるかも、「穴場」を探したいと思うのであれば、次は自身で開拓すればいいのである。旅行客に「また台湾に来たい」と思ってもらうこと、それも、あまりにも有名な定番レストラン「鼎泰豊」が持っている使命、役割の1つなのかもしれない。