(八田与一氏の銅像修復を手がける王昭旺氏)
(台南 20日 中央社)台南市の烏山頭ダムで、日本統治時代にダム建設を指導した八田与一氏の銅像が破壊された事件で、同所を管理する嘉南農田水利会は19日、銅像の修復は進んでおり、5月8日の慰霊祭は予定通り行える見込みだと発表した。
両岸(台湾と中国大陸)統一を主張する元台北市議の男らが犯行を認めたものの、破壊された頭部はいまだに見つかっておらず、当初の予定通り、奇美博物館(台南市)の協力の下、芸術家の王昭旺氏によって修復が進められている。同博物館が所蔵する胸像を切断し、破壊された部分に接着して修復を行う予定で、王氏は破壊された跡がなるべく目立たないよう、修復を進めたいとしている。作業には10日ほどかかる見通し。
同会の楊明風会長によると、八田氏の命日に行われる慰霊祭には、日本からは八田氏の孫、修一さんなど約200人が参列する予定。楊会長は、「破壊しようという悪意を持つ人が現れることは防ごうにも防げない」と話し、今後は巡回を強化する方針で、このような事件はもう二度と起きないでほしいと訴えた。