葵祭の前儀として5日に行われる「賀茂競馬(くらべうま)」で走る馬の順番を決める「足汰(あしぞろえ)式」が1日、京都市北区の上賀茂神社であった。烏帽子(えぼし)に浄衣姿の「乗尻(のりじり)」と呼ばれる騎手が、さっそうと馬を走らせた。
12人の乗尻たちは馬の足やむちなどを、境内の「ならの小川」で洗い清め、それぞれの馬にまたがった。約200メートルの馬場で、1頭ずつ走る「素駆(すがけ)」をした後、組み合わせを決め、本番同様に2頭が同時にスタートする「競馳(きょうち)」を行った。乗尻の「ハイ、ハアー」という掛け声とともに2頭の馬が全力疾走し、参拝者からは大きなどよめきが起こった。
賀茂競馬は宮中で五穀豊穣(ほうじょう)を祈る行事として始まった。寛治7(1093)年に同神社に移され、現在まで続いている。