日本三大祭りの一つ、祇園祭・前祭(さきまつり)のハイライトの山鉾巡行が17日、京都市中心部の都大路で繰り広げられた。3連休と重なったこともあり、日曜日だった昨年より3万人多い22万人(京都府警調べ)の見物客が詰めかけ、「動く美術館」とも称される絢爛(けんらん)豪華な23基の山と鉾を見守った。(10面に関連記事) 気温28・5度(京都地方気象台調べ)、曇り空。午前9時、先頭の長刀鉾は「エンヤラヤー」の音頭取りの掛け声とともに、下京区四条通烏丸東入ルを出発。四条通麸屋町では、鉾の2階に乗った稚児林賢人君(10)が、真剣を左右に振った後、通りに張られた注連縄(しめなわ)を一刀両断にした。
四条通堺町では「くじ改め」があり、巡行順を確認するために、今年の「山一番」の占出(うらで)山をはじめ裃(かみしも)姿の正使が、扇子でくじ箱のひもをほどいて「くじふだ」を奉行役に差し出した。交差点では、重さ約10トンの巨大な鉾を方向転換させる「辻(つじ)回し」があり、沿道から拍手が送られた。
時折風が吹き抜けた。山と鉾は、河原町通を経て中京区御池通新町で巡行を終えて町内に帰り、すぐに解体作業に入った。
祇園祭は、疫病退散を祈る八坂神社(東山区)の祭礼。山鉾行事は国の重要無形民俗文化財に指定されている。24日には後祭(あとまつり)の山鉾巡行があり、別の10基が巡行する。