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カラ出張の助教を懲戒解雇 京大、詐欺容疑の告訴も検討

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京都大防災研究所の入るキャンパス



京都大防災研究所(宇治市)の男性助教(49)が旅費約1100万円を不正受給していたことが25日、分かった。京大は助教を同日付で懲戒解雇処分にするとともに、詐欺容疑で京都府警への告訴を検討している。

 京大によると、助教は2007年12月から16年1月に、国内他大学の教員らとの打ち合わせを名目に架空の出張簿を大学側に提出し、旅費を不正に得ていた。16年末に内部通報があり、大学が調査を続けていた。助教がこの間に大学に出した出張簿は198件だったが、約4分の3に当たる155件が架空、または出張の事実が確認できない届け出だった。

 京大の調査に対し、助教は不正受給を認めた上で返還の意思を示し、動機については「正式な手続きで物品購入をするのは面倒で、現金を手元に置きたかった」という趣旨の話をしているという。ただ、具体的な使途は不明で、京大は「私的流用があったと判断せざるを得ない」としている。

 防災研では主として鉄道を利用する国内出張では領収書は不要で、出張先や宿泊日数を出張簿に記入して大学に提出するだけで旅費を精算できる。助教は、こうした自己申告に基づく制度を悪用し、カラ出張を繰り返していたとみられる。

 同日会見した山本克己副学長は「公的資金に支えられる大学ではあってはならないことで極めて遺憾。心よりおわびする」と謝罪した。今後、国内出張でも領収書の添付の義務化を検討するという。


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