(嘉義 21日 中央社)台湾で旧暦7月は、あの世から霊や魂が戻ってくる「鬼月」と呼ばれる。鬼門(あの世の門)が開くとされる旧暦7月1日(今年は8月22日)を前に、南部・嘉義県の新港奉天宮で21日、鐘や太鼓を封印する伝統儀式「封鐘鼓」が行われた。この世に戻ってこようとする霊や魂を、鐘や太鼓の音によって邪魔しないようにする意図がある。
奉天宮の何達煌董事長によると、この儀式は数百年もの伝統を持つ。同宮では毎月旧暦1日と14日、15日、月末の朝晩に鐘や太鼓を鳴らす習わしがあるものの、旧暦7月の1カ月間は禁止されるという。また、爆竹鳴らしや誦経も行われない。鐘や太鼓の封印が解かれるのは旧暦8月1日(9月20日)の午前5時。
鬼月には、建設工事の着工や結婚、手術、店の開業などはタブーとされる。また、霊や魂がいたずらをしたり、部屋に入ってきたりしやすくなるため、夜間に洗濯物を外に干したり、口笛を吹いたりするのは避けたほうがいいと言われている。