京都市交通局が、4月にオープンした京都鉄道博物館(鉄博、下京区)との連携を強めている。来館者に市バスや市営地下鉄の利用を促すのが狙いで、鉄博周辺のバス本数を増やしたり、展示車両をあしらった記念の乗車券カードを発売したりと、さまざまな取り組みを展開している。
■路線新設や増便、一日券で入管割引
市バスでは、オープン前の3月、鉄博に最寄りのバス停「梅小路公園・京都鉄道博物館前」と二条駅(中京区)とをつなぐ路線を新設した。京都駅や市中心部、岡崎地域と同バス停を結ぶ便も増やした。
効果はさっそく現れ、鉄博近くの四つの停留所では5月の降車客数が1日平均約3600人に上り、昨年の同時期と比べて約1100人も増加した。
6月からは市バス・京都バスや市営地下鉄の1日乗車券などを鉄博で提示すれば、入館券を1割引で購入できる鉄博のサービスも始めた。0系新幹線など鉄博の展示車両をデザインした「市バス・京都バス一日乗車券カード」も100万枚作製し、販売している。
鉄道の博物館としては日本最大級の京都鉄道博物館には、オープン直後のゴールデンウイーク期間中(4月29日~5月8日)だけで目標の10万人を超える11万1150人が訪れた。6月末時点で約35万人が来館し、2016年度末の目標120万人を上回るペースという。
市交通局営業推進室は「夏休みにも、市バスや地下鉄を利用して多くの人に博物館を訪れてほしい」とアピールする。京都鉄道博物館は「市バスで訪れる人が多い。今後も連携を強めていきたい」としている。