京都市上京区の相国寺が重要文化財の法堂(はっとう)などを特別公開している。真下で手を打つと堂内に独特の響きが生まれることから「鳴き龍(りゅう)」と呼ばれる巨大な龍の天井画を見ることができ、参拝者が音の響きを確認したり、龍の目を眺めたりしながら堂内を歩いていた。
法堂は1605(慶長10)年に豊臣秀頼が寄進して再建された。狩野光信筆の天井画「蟠龍(ばんりゅう)図」は高さ約11メートルにあり、直径約9メートルの円に龍がとぐろをまく姿が描かれている。春と秋の年2回、公開している。
方丈の中央にある「室中の間」で、細かなお経の文字を並べて観音菩薩(ぼさつ)を描いた、江戸時代中期の「法華観音図」の掛け軸を掲げているほか、「御所移しの間」で、京都御所の清涼殿から譲り受けたふすま絵を見ることができる。同寺を開いた夢窓疎石をまつる開山堂も公開している。
12月15日まで。10月18~21日は拝観中止。一般800円、65歳以上と中高生は700円。