水面をゆっくり進む屋形船
中秋の名月にあたる4日、京都市右京区の大覚寺で月を観賞する催し「観月の夕べ」が始まった。観光客たちは境内の大沢池に浮かべられた舟に乗り、秋夜にくっきりと映える月をめでた。
大沢池は、平安期に嵯峨天皇が貴族や文人とともに月見をした名所とされる。催しは、同寺が中秋に合わせて毎年企画している。
心地良い秋風の中、東の空に姿を現した月は幻想的な輝きを放った。池には竜や架空の鳥「鷁(げき)」をかたどった舟が浮かべられ、乗客は水面に揺れる月影を楽しんだ。茶席や僧侶による法会もあり、大勢でにぎわった。
母親と訪れた大阪市のアルバイト植木彩菜さん(23)は「虫の声を聞きながら、ゆったりとした時間を過ごせた」と話していた。
6日まで。午後5時~9時(受け付けは8時半まで)。拝観、乗船ともに有料。