(嘉義 5日 中央社)南部・嘉義市のト醒哲市長は4 日、日本統治時代に温泉が存在した可能性がある市東部のシュウ頭里を視察に訪れ、地域を流れる渓流で源泉を探した。ト市長は、失われた温泉が見つかれば市の観光が飛躍するのは間違いないとし、温泉の再生に意欲を見せた。(ト=さんずいに余、シュウ=土へんに川)
視察に同行した建築業者で市政顧問の黄朝雲さんによれば、最近友人からもらった日本統治時代のものとみられるポストカードに「嘉義山仔頂温泉之全景」と書かれ、もう一枚の日本統治時代の地図には「温泉」という文字があったという。黄さんは温泉の正確な位置を知ろうと、懸賞金3万台湾元(約11万円)を出し、フェイスブックを通じて情報提供を呼び掛けた。すると、現在のシュウ頭里と長竹里の境界あたりで温泉開発が行われ、付近には温泉旅館もあったという情報が寄せられた。温泉は当時の過剰開発により湧出量が減少し、後に没落したとみられている。
シュウ頭里の楊文俊里長(町内会長)によれば、地域の高齢者が渓流の上流で硫黄臭を嗅いだことがあるという話は聞いたことがあるが、正確な位置は分からないという。楊里長は、行政院(内閣)農業委員会に農村再生計画関連の経費を申請しているとし、まずは観光用歩道を建設してから、温泉探しに取り掛かりたいと語った。