宅配ロッカー(京都市中京区・ライフ二条駅前店)
自宅外で荷物を受け取ることができる「宅配ロッカー」の設置が、京都、滋賀の駅やスーパーで広がっている。あらかじめ指定したロッカーに宅配業者に荷物を配達してもらい、通勤や通学途中に受け取れるのが特徴だ。利用者の利便性向上とともに、宅配業者の再配達削減にもつながると期待が寄せられている。
食品スーパーのライフ二条駅前店(京都市中京区)では、7月に宅配ロッカー(24口)のサービスが始まった。ヤマト運輸と仏企業の合弁会社であるパックシティージャパン(東京都)が設置し、ヤマトと佐川急便の荷物が受け取れる。
自宅を空けがちな共働きや単身の世帯に好評で、ライフコーポレーションの広報担当者は「買い物ついでに荷物を受け取る人が多い。今後はほかの店舗にも広げたい」と話す。
宅配ロッカーが増加する背景には、電子商取引の拡大に伴う宅配便件数と再配達の増加、宅配業者の労働力不足がある。国土交通省が一昨年に再配達削減を提言し、ヤマト運輸や日本郵政がロッカー設置に乗り出した。
パックシティーによると現在、首都圏を中心に全国に約千台を配置する。ヤマト運輸が持つ不在状況のデータを活用し、不在率の高い住宅街に近い駅や商業施設、ビジネス街に設置を進めている。
京都では今年7月から、JRの二条駅(中京区)や藤森駅(伏見区)などにお目見えした。いずれも利用は好調で、10月1日には滋賀県で初めて「くさつ平和堂」(草津市)にも設置された。
京阪電気鉄道は、大阪府枚方市の枚方市駅や樟葉駅など計4駅にロッカーを置くほか、京阪グループが駅構内などで運営するコンビニエンスストア「アンスリー」でも独自に宅配便の受け取りサービスを行っている。同社の広報担当者は「将来的には受け取れる宅配業者を増やしていきたい」と期待している。