オシャレな雑貨店や古着屋が立ち並び、都心を忘れさせてくれる下町感漂う三軒茶屋。それでいて渋谷まで2駅で、アクセスも良し。住みたい街として安定した人気があります。
筆者は学生時代に初めて訪れ、「いつか絶対に住むみたい!」と憧れを抱いて数年。念願かなって、社会人になると同時に三軒茶屋に引っ越しをしました。
気分は最高潮! のはずでしたが、実際に住むと、そこには思わぬ現実がありました。
◆宗教の勧誘が多い
「あなたにはお祈りが必要です」と駅前でいきなり男性に声を掛けられました。
社会人になって間もなくだったので、何も分からずに話を聞いていると、「あなたには希望がありますか?」という質問に始まり、家族や恋愛のことを根掘り葉掘り聞かれました。
これは宗教の勧誘だと途中で気付くも、足を止めてしまったが最後、しつこく着いて来られてしまい断るのに一苦労。
その後も駅周辺を歩く度に、「これを読んでください」とパンフレットを渡されたり、アンケートの回答に見せかけた勧誘など数え切れないほどの宗教勧誘に辟易(へきえき)しました。
◆深夜は飲み屋街と化し酔っぱらいにカラまれる
昼間はオシャレな雑貨店が立ち並ぶ商店街。夜になると、そこは飲み屋街へと化し居酒屋やバーの喧噪で埋め尽くされています。
仕事の帰りが遅くなって商店街を歩いていると、店の飲み屋から女性が飛び出してきました。そして、目の前で女性が恥じらう様子もなく用を足し始め……周囲は騒然。
別の日には、ある女性タレントが千鳥足で両手に男性を連れ、叫んでいる姿が。
またある時には、男性グループが「一緒に飲もうよ」と、いくら振り切っても自宅付近まで着いて来てしまうこともあったんです。
◆保育園の待機児童数が尋常じゃない
彼氏との同棲を考え始めた頃、将来を見すえて世田谷区付近の保育園待機児童数を調べてみました。すると、毎年1000人近い待機児童がおり、待機児童数ワースト1位の常連であることが判明。
中でも、三軒茶屋周辺保育園の待機率は高く、将来共働きをのぞむ筆者にとっては致命的だと分かりました。結局、その数年後に他の街へ引っ越すことに……。
「かっこいい!」「オシャレ!」「憧れる!」
安易な気持ちで引っ越した三軒茶屋。確かに楽しいこともあれば、昼間のオシャレで下町感あふれる町並みに癒されたり、良いところもたくさんありました。
しかし直感だけではなく、長く住まうにはじっくりと時間をかけてその街について知るべきであると学んだのでした。
―シリーズあの人気の街に住んでみたら… vol.5―